電動工具の騒音レベルを測定してみた【サンダー・インパクト・丸ノコ編】

電動工具と騒音計アイキャッチ

インパクトドライバーや丸ノコなどの電動工具は、手仕事に比べて圧倒的に加工スピードが速く、正しく使えば効率的に作業を進めることができます。

しかし、気になるのはやはり騒音問題によるご近所トラブル。

特に住宅密集地やマンション住まいの方は、大きな音を立てるのは気が引けることでしょう。

僕の家は幸いなことに、住宅同士の距離がほどよく空いている田舎なので日中であれば問題ありません。

それでも「うるさくないかな?」と心配になってしまうことはあります。

そこで、こんなものを用意しました!

騒音計

騒音計です!!

市役所で借りてきました。

お住まいの地域の役所で貸し出していることが多いようですので、興味のある方は問い合わせてみてください。

これで実際に電動工具がどれくらいうるさいのか測定し、数値で騒音レベルを確かめてみることにします。

今回は下記の電動工具を計測してみたいと思います。

  1. ランダムアクションサンダー(BOSCH GEX125-1AE)

2. インパクトドライバー(BOSCH GDR1440-LI)※古い機種なのでAmazon、楽天ともに取り扱いなし

BOSCHインパクトドライバー

3. 丸ノコ(BOSCH GKS 18V-57H)

他の電動工具はまだ持っていないので、手に入れたら記事にするかもしれません。

測定環境:6畳くらいの室内で作業

測定するのに環境は大事だと思いますので、ここに示しておきます。

  • 作業場:6畳くらいの室内(反響しやすい?)
  • 測定する場所:工具から1mの距離、隣の部屋の2か所
  • 加工する材料:SPF(加工しやすい木材)
  • 建物:築15年くらい(高気密・高断熱という言葉が認知されてきたくらいの頃)
  • 周辺環境:交通量の多い主要道路からは少し離れている。建物同士の距離は適度に空いている

意味のないものもあるかもしれませんが、思いつくものを挙げてみました。

そして、以下が騒音レベルの目安となる表です。

騒音レベル(dB) 音の大きさの目安
極めて
うるさい
140 ジェットエンジンの近く
120 飛行機のプロペラエンジンの直前、近くの雷鳴
110 ヘリコプターの近く、自動車のクラクションの直前
100 電車が通る時のガード下、自動車のクラクション
90 大声、犬の鳴き声、大声による独唱、騒々しい工場内
80 ピアノの音、電車の車内
うるさい 70 掃除機、騒々しい街頭、騒々しい事務所の中
60 普通の会話、静かな自動車の中
普通 50 エアコンの室外機、静かな事務所
40 静かな住宅地、深夜の市内、図書館
静か 30 ささやき声、深夜の郊外
20 ささやき、木の葉のふれあう音

果たして工具3選手はどんな結果をたたき出すのでしょうか……!

ランダムアクションサンダーの低速は近くで聞けばうるさい

まずは今回の工具の中で一番音が小さいであろうランダムアクションサンダーの低速を試してみます。

実際の音は下の動画で聞いてみてください。※音量注意!!

作業している本人は全然気にならない音です。

振動が作業台に伝わり、下の空間で音が反響しているような気がしますね。

ランダムアクションサンダー低速は69.4dB

1mの距離では69.4dBでした。

表で言えば掃除機くらいの音量ですね。

音楽聴いたりテレビ見ている人と同じ部屋でやれば怒られます(笑)

壁越しにランダムアクションサンダー低速は51.4dB

1枚壁を隔てた隣の部屋では51.4dBとなりました。

これなら隣室でテレビを見ていても許してもらえるレベルでしょう。

ランダムアクションサンダーを高速運転したらかなりの音量アップ

次はランダムアクションサンダーの高速です。

動画を再生する際は音量注意!!

やはり回転速度を上げると音量もアップしました。

作業者としては、まだ周囲への騒音を意識するようなことはありません。

隣の部屋にはしっかりと音が聞こえているでしょうか。

ランダムアクションサンダー高速は79.1dB

近くで測ると79.1dBと出ました。

表では「極めてうるさい」に限りなく近い音量となりますね。

電車の車内と同レベルとなりますが、電車はやっぱりうるさいんだなぁ。

壁越しにランダムアクションサンダー高速は60.2dB

隣室では60.2dBと表示。

表では「うるさい」の部類になりますが、ギリギリ許してもらえるかどうか。

マンションやアパートではアウトでしょう。

ここからは騒音!インパクトドライバーでのビス打ち

インパクトドライバーでビス(コーススレッド)を打ち込む音です。

※動画再生の際は音量注意!!

最後の打撃音が強烈ですね。

ただ短いので騒音としてはどうなのでしょう。

「ちょっとくらいならいいかな」と思ってしまいそうです。

インパクトドライバーでビス打ちは94.2dB

近距離だと94.2dB!

近くで大声出されたら嫌です!!(笑)

大声や犬の鳴き声など、このくらいのレベルからは近隣への迷惑を意識してしまいますね。

住宅密集地では隣家へはっきりと聞こえてしまうでしょう。

壁越しにインパクトドライバーでビス打ちは70.5dB

隣の部屋では70.5dBとなりました。

「極めて」から「普通」のうるさいになりましたが、それでも十分騒々しいです。

家族にもうるさくなることを伝えてから作業をしたほうがいいかもしれません。

ボアビットでの穴あけは持続する音が不快に感じる

個人的に結構うるさいと感じている、インパクトドライバーにボアビットを装着しての穴あけ。

しつこいようですが↓の動画を再生する際は音量注意!!

ビス打ちのときの強烈な打撃音が、回転している間ずっと続くのが特徴です。

クレームが入らないか心配になって、使うときはいつも休み休みにしています。

ボアビットで穴あけは95.2dB

近くでの数値は95.2dB。

近くで大声を出され続けるのは物凄く嫌です!!!(笑)

壁越しにボアビットで穴あけは71.5dB

壁越しでは71.5dBという測定値。

近くでも隣室でも、先ほどのビス打ちと同じくらいの結果になりました。

この音は結局インパクトドライバーの衝撃音なので同様の数値になるのですね。

違うのは音の持続性。

一撃でも強烈な衝撃音が鳴り続けるわけですから、数値以上にうるさく感じるのです。

丸ノコがやっぱり一番!でも壁越しだと大幅緩和?

回転時の高音と切断時の大音量が自慢?の丸ノコです。

どうしても動画↓を再生するというのであれば、音量要注意!!!

これは…うっせーわ(笑)

あと音が怖い。

たまにしか使わないので、使い始めはいつもドキドキしちゃう。

丸のこは98.1dB

丸ノコから約1mの距離で、今回の最高記録をたたき出しました! 98.1dB!!

100dBの大台までもう少しでした。

長めのクラクションって不快ですよね。

しかし、壁越しに測ってみると

壁越しに丸のこは70.2dB

70.2dBとインパクトと同等以下となりました。

インパクトの低い打撃音に比べ、丸ノコの高い音のほうが障害物によって減衰しやすいのでしょうか。

騒音レベル70台なのでうるさいのには変わりないのですが、おもしろい結果となりました。

騒音レベル結果一覧、まとめ

工具名 距離1m 隣室
ランダムアクションサンダー(低速) 69.4 51.4
ランダムアクションサンダー(高速) 79.1 60.2
インパクトドライバー(ビス打ち) 94.2 70.5
インパクトドライバー(ボアビット穴あけ) 95.2 71.5
丸ノコ 98.1 70.2

このように、近距離ではインパクトドライバーと丸ノコが「極めてうるさい」レベルの騒音となりました。

しかし1枚壁を挟むだけで、すべての工具がその領域に達することはありませんでした。

今回は内壁でしたが、これが外壁であれば断熱材や外壁材が遮音性を高めてくれるでしょう。

また最近は高気密な家も多く、気密性が高ければより音漏れを防ぐことができます。

注意しなければならないのは、屋外(半屋外含む)での作業時です。

ウッドデッキやフェンス、パーゴラなど、外での作業となりますよね。

隣家との距離が大きく離れていれば、問題ないかもしれません。

しかし少しでも心配であれば、近隣とのトラブルを避けるためにも一言挨拶はしておくべきですね。

因みに、主要道路に面していない住居用地域は昼間55dB、夜間45dBを超えると騒音とみなされるようです。「騒音に係る環境基準について」の環境庁告示について(環境省ホームページ)

この記事が参考になるかはわかりませんが、電動工具の導入を検討されている初心者の方の一助となれば幸いです。

最後までお読みいただきありがとうございました。