室内を飾るフォトフレームを自作できたらいいですよね。
フォトフレームや額縁って簡単にDIYできそうに見えますが、きちんと作ろうとすると意外と難しいのです。
材料を45度に切る「留め切り」は、少しでも角度が違うと見栄えに大きく影響を及ぼします。
アクリル板や写真などをはめるフレームかかりは、トリマがないと削り出すのが困難。
であればいっそのこと、きちんと作らないのもアリです。
斜めになんか切らず、普通に木材を四角形に組めばフレームの出来上がり。
写真は一回り大きな板を裏からビス止めしてしまえばOK。裏を見る人いませんから。
自分が気に入りさえすれば良い、それがDIYの醍醐味です。
僕は今回なるべくきっちり作ってみたのですが、道具がなかったり面倒だったりする箇所は端折ってもらい、真似できるところだけ参考にしてもらえればと思います。
目次
作成したフォトフレームの寸法
家族から要望があったので、はがきサイズ(148mm×100mm)で作っていきます。
実際の寸法はこんな感じ。

材料は幅30mm、厚さ9mmのヒノキ。
少し薄いかもしれませんが、これでやってみます。
飾り面加工をするならもう少し厚い材を使ってください。
フレームかかりの溝は幅5mm、深さ3mmとしました。
この深さは裏板やアクリル板の厚みによって調整してください。
フレームかかりと留め切り
トリマでフレームかかりの溝を削っていきます。
使ったのはリョービのMTR-42。
作業を安定させるために、木材を同じ厚みの板に沿わせてクランプでしっかりホールドしました。
実は僕、これが初トリマ。
工具の中でもトリマはとても危険とよく見聞きするので、材料の固定はもちろん、安全メガネなどの装備を整えて挑みます。

音にビビりながらも、綺麗に削れていく様子に感動中。

無事にフレームかかりの溝が出来上がりました。
ほんの少し欠けている箇所が点在していますが、見えなくなる部分だし許容範囲内です。
次に留め切りですが、自作の治具を使って切りました。
下記ページで紹介しています。
市販の治具を使って手鋸でカットしてもいいと思います。
精度もなかなかと評判です。

切断し終える直前に欠けてしまうことが多いのですが、マスキングテープを貼ると最後まで綺麗に切ることができます。

フレームかかりのあるほうが台形の短辺になるよう注意してください。
丸ノコでサクサク切っていたら、二度も間違えてしまいました。
フレームのパーツが4つ揃えば切り出し完了。
フレームの組み立てとその他のパーツ
フレームの組み立てはボンドのみで行います。
ボンドは圧着すればそこそこ強度も出ますが、さらに強度を出すためには「Vネイル」というV字型の釘を使用したり、出隅に切り込みを入れて別の木材をはめ込む「かんざし」という方法を取ったりします。
今回は自宅用なので簡単に済ませました。

ボンドは普通の白ボンドで大丈夫です。
今回は接着力が強く乾燥が早いというタイトボンドⅢを使ってみました。

ずれないように接着。
あらかじめ出隅を合わせてマスキングテープで留めておくとやりやすいです。
サイズ的にコーナークランプ(写真中の赤いやつ)が4つ使えないので2回に分けました。
コーナークランプとは木材を直角に保持するための道具。
引き出しなど箱状のものを作るときに活躍します。
今回の場合、ベルトクランプがあれば一度でできて便利かも?
フレームができたらスタンド用の穴をあけていきます。

フレームが薄いので貫通させないように注意!
マスキングテープで印をして、それ以上深くならないように慎重にあけます。

8mmのドリルビットであけました。
今回は横置きと決まっていたので長辺1か所だけですが、縦でも使えるようにするには短辺側も穴が必要です。

穴と同じ8mmの丸棒を5cmの長さにカット。
これがスタンドになります。

フレームにヴィンテージワックス(クリア)を塗布。
妻の筆文字を飾ると言うのでこのような仕上げにしてみました。
飾るものが決まっているのであれば、それと合う色に塗るのもいいですね。

裏板は2.5mmのラワンベニヤを使用しました。
世間ではベニヤよりもMDFのほうがよく使われているかも。
これをフレームかかりにおさまるサイズに切っていきます。

一番手前に来る透明の保護板も同様のサイズにカット。
塩ビ製の硬質カードケースを使用しました。
アクリルやガラスに比べ傷付きやすく透明度も劣りますが、なんと言っても安い!
DIYerの味方なわけです。
きちんとしたものを作る場合は、高価ですがアクリル板を選択してください。

裏板を押さえるトンボを取り付けます。
使用したのは福井金属工芸のステンレス製6分サイズ。
ホームセンターでも別メーカーのものが売っていました。

付属のビスで止めていくだけなので簡単です。
スタンドの穴がある箇所だけは中心に付けられないので少しずらして。

裏側完成。

これですべてのパーツが揃いました。
あとは飾るだけです!
完成!中身の作品と相まって渋い!

初めて作りましたが、まずまずのものができました。
妻の筆文字を飾ると、ヒノキの表情と作品が相まってかなり渋いですね~。
好みではないですがこれはこれでアリ。
トリマで飾り加工をせずシンプルに仕上げましたが、木目のおかげで立体感があるように見えます。
トップのアイキャッチでは別のものを飾っていますが、少し雰囲気が合っていないかな?

裏面はこんな感じで、スタンドの安定感もあります。
材料費は使用した分だけで考えると350円ほど。
余ったベニヤや丸棒、塩ビ板は他で使ってもいいし、フォトフレームを量産してもよいでしょう。
たくさんあっても困らないし、記念の写真を入れてプレゼントするのも素敵。
フレームの幅や厚さ、塗装で大きく雰囲気を変えることができますので、ぜひインテリアのテイストに合うフレームを作ってみてください。