憧れの銘木デビューにもうってつけ!?箸置きのような小さな木工作品をつくってみよう

箸置きアイキャッチ

DIYを始めた頃、使用する木材と言えば「SPF」「杉」「松」「ベニヤ」が主だったものでしょう。

「檜」や「桐」もよく売っているので使用したことがあるでしょうか。

これらの材を扱っていくうちに、「銘木」と呼ばれる木材に憧れを抱く人は多いはず。

銘木ではなくても広葉樹の樹種は取り扱いが少なく、価格も高いのでなかなか手を出しづらいですよね。

しかし、下のような端材であれば値段も手頃で、気軽にチャレンジできますよ!

おにぐるみとオークの端材

北海道産の「オニグルミ」と北米産の「オーク」の端材です。共に40円!

どちらも100mm×40mm×15mmくらいでした。

この二種が銘木かどうかはわかりませんが、これを使って箸置きを作りたいと思います。

どちらも加工は初めてです。

広葉樹は普段使っている木材より硬いと聞きますが、果たしてうまくいくのでしょうか……!

木彫細工のみで切削

まずは端材を箸置きサイズに手鋸でカットします。

使用サイズに切り分けられた端材

一つあたり4等分にするとちょうどよくなりました。

ということは、1個あたりの材料費は10円です!

これを好きな形になるよう墨付けします。

木片に墨付け

円弧を描く場合、家の中にあるものを利用すれば綺麗に墨付けできます。

今回は子供のごはん茶碗(笑)

木彫細工のみの丸曲がりタイプで削っていきます。

木片をのみで切削1

加工対象物が小さいので、絶対にバイス(万力)やクランプで固定して行ってください。

手で押さえて彫ったりしたら本当に危ないです。

僕が使っているのは下記のアルミバイス。

材料を締め付けたり外したりが素早くできるクイックタイプ。

最大開口が100mmなので、色々な幅のものを固定できます。

作業台に固定するためのクランプも付いていますよ。

木片をのみで切削2

とにかくどんどん彫っていきます。

意外とサクサクいけますね。

ある程度上面が終わったら、側面のラインを表裏に墨付けします。

木片に墨付け2

側面も弧を描くようにしました。

あとは固定して彫るだけ。

木片をのみで切削3

無心でひたすら彫りましょう。

形が仕上がったら240番のサンドペーパーで表面を整えます。

サンドペーパーで研磨1

曲面は指にペーパーを巻き付けてなでなで。

サンドペーパーで研磨2

滑らかになるよう丁寧にやすり掛けします。

ここは妥協せずに頑張りましょう。

終わったら固く絞ったウエスなどで表面の削りカスをキレイに拭き取ってください。

オイルを塗る前に必ずやりましょう。

クルミオイルを塗布

今回はクルミオイルを用意しました。

匂いを嗅いでみると、ナッツの香ばしいいい香りがします。

オイルフィニッシュで使うオイルは亜麻仁油が有名で、他に荏胡麻油などがよく使われているでしょうか。

箸置きは口に入れる箸を置くものなので、これらの自然油が適しているでしょう。

オリーブオイルなども使えると言う人もいますが、不乾性油なのでどちらかというと不向きです。

クルミオイルとウエス、塗装前の箸置き

適量をウエスに取り、塗っていきます。

ウエスでオイル塗布

白っぽかったのが濡れ色に変わります。

大きな変化があるので楽しい作業です。

よく染み込むので多めに塗ってください。

乾性油は酸化して次第に固まっていきます。

塗り終わったら表面の余分な油を拭き取って、ムラになるのを防ぎましょう。

乾性油の塗装に使用したウエスや紙類を放置しておくと自然発火する恐れがあるので、多量の水に浸すか、焼却する等、処分には十分気を付けてください。

ここで24時間乾燥。

オイル塗布→拭き取り→乾燥を1~2回繰り返します。

ここで完成でもいいのですが、オイルを付けて耐水ペーパーで磨くことで表面をスベスベにすることも可能です。

ウェット研磨でスベスベに

番手は400~600くらいでいいと思いますが、手持ちに1000番しかなかったのでこれでやってみます。

耐水ペーパーでオイルフィニッシュ

オイルを付けて耐水ペーパーでゴシゴシ。

やっていくとすぐに手応えが変わったのを感じます。

削っているような感覚から磨いているような感覚へ。

削られた木とオイルが混ざって細かな凹凸に入り込み、目止めをしているために表面が滑らかになるのです。

机やテーブルの天板は、このオイル仕上げかウレタン塗装が必ずと言っていいほど行われています。

でこぼこしていては字が書けないですからね。

気が済むまで磨いてツルツルにしてください!

なお、ここでも余分な油はしっかり拭き取ってください。

最後にしっかり乾燥させた後、乾いた布で磨けば完成です!

10円箸置きの完成!

クルミオイルも使っているので、厳密には材料費12円くらいの箸置きがついに完成しました!

箸置き完成

右が工程を紹介したオニグルミで、左はオークです。

形を少し変えました。

上から見るとチギリのような形ですが、娘はリボンと言っていました。

写真だとスベスベした質感がわかりづらいですね。

完成した箸置きの側面

光に当てるとこんな感じ。

完成した箸置きの裏面

平らな面だとスベスベなのがよくわかるでしょうか。

このツルツル感、やみつきになります。

2種類の箸置き

今回箸置きをつくってみて思ったのが、金銭的にも作業時間的にも「すごくお手軽」ということです。

オイルの乾燥があるので完成までの日数はかかりますが、切削から研磨、オイル塗布などの実働時間は短く済みます。

慣れればかなり早くできると思いました。

そういう点からも、普段使わないような広葉樹のデビューに向いていると思います。

ぜひ皆さんも、様々な樹種にチャレンジしてみてください。