作品や商品などを撮影するとき、背景に困ることはありませんか?
商品写真の撮影方法はいろいろあるようですが、撮影用の「スタイリングボード」というものが市販されていて簡単に見栄えを良くできそうです。
購入すれば間違いないのでしょうが、DIYerは自分でつくってみたくなるもの。
ということで、自己流ですが、塗料と合板を使ったスタイリングボードの作り方を紹介します。
比較的簡単に雰囲気のあるボードがつくれますので、この記事を参考にチャレンジしてみてはいかがでしょうか。
目次
使用する塗料・材料

デコボコベースという塗料で凹凸のある下地面をつくり、その上からグレーの水性塗料をメインに塗り重ねていきます。どちらもカインズのプライベートブランドのものを入手。他には余っていたホワイトとブラックの水性塗料を使用しました。
デコボコベースの仕様は以下のとおり(公式から一部抜粋)です。
用途 | 屋内外の木部、鉄部、コンクリート、ビニールかべ紙素材などの小物や壁面。 |
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内容量 | 200ml |
成分 | 合成樹脂(アクリル、シリコン)、水、顔料、珪藻土、防かび剤 |
種類 | 水性 |
製造元 | ニッペホームプロダクツ株式会社 |
液性 | 水性 |
乾燥時間 | ●夏:2時間●冬:4時間●※厚く塗ったところ(1mm以上)や凸部では、中まで完全に乾燥するのに1日以上かかることがあります。 |
使用可能な素材 | 屋内外の木部、鉄部、コンクリート、ビニールかべ紙素材などの小物や壁面。 |
塗り面積 | 1回塗り0.2平方メートル(厚さ1mmで塗った場合) |
アルカリ性で触れると手が荒れるため、使用する際はゴム手袋などの着用が推奨されています。
価格は698円(2022年1月現在)。
製造元のニッペからも同じ商品(500ml・1000円前後)が販売されていますが、こちらのほうがお得かも。
今回の肝はこのデコボコベースによるボードの“表情づくり”です。
塗る道具は刷毛やヘラなどなんでもOKなので、好みの凹凸になりそうなものを使います。僕は100均の食器洗い用スポンジ使用。
色付けには、同じスポンジと使い古して少し硬くなった刷毛、ウエス、霧吹きを用意しました。
材料の板は910×910と大きめのラワン合板(5.5mm厚)です。サイズは被写体となる物の大きさによって変えてくださいね。

下地塗り
先の表にあるように、デコボコベースは1mm厚で0.2㎡しか塗れません。厚く塗るならそれだけ多く必要になります。足りずにホームセンターへ駆け込むのを避けたいのであれば、用意する量をよく確認しておきましょう。
デコボコベースをスポンジに取り、下地をつくっていきます。

わざと塗りムラが残るように塗っていきましょう。
スポンジをこすり付けたりポンポン叩くようにしたりして塗料を乗せていきました。
柔らかい面で塗りましたが、硬い面でもいいかも。
スポンジの目の粗さや塗料の量、力加減などで現れる表情が微妙に違ってきます。
ここでスタイリングボードの出来が決まると言っても過言ではありません。好みの雰囲気に近づけるように塗装を施しましょう。

こんな感じになりました。
凹凸をさりげなくしたかったので薄く塗りました。合板の表面が見えている箇所もそのまま下地とします。この薄さで塗ると、塗装面910×910に対し、塗料が200mlで足りるどころか少し余りました。
厚く塗ればもっと凹凸を強調した表情をつくれるでしょうから、次の機会には試してみたいと思います。
上塗りで色付け
下地にベースとなる色を塗っていきます。

カインズのアンティークカラーズ「スモーキーグレイ」を採用。
下地に凹凸があり隙間に塗料が入りづらいため、硬い刷毛でトントン叩くように塗料を乗せていきました。

乾いたらこんな感じです。
塗料が入りきらず下地の色が見えている箇所があったら、もう一度そこをちょんちょん塗り重ねて、なるべく白いところが無いようにします。
場合によってはこの時点で仕上がりとしてもいいでしょう。
重ね塗りでムラ付け
別の色でムラを付け、奥行きを出していきます。
まずは白の水性塗料を水で薄めたものを用意します。
塗料と水を1:5くらいで混ぜ合わせました。きちんと計らずだいたい。
あとは霧吹きに水を入れ、ウエスも準備しましょう。
先ほどの薄めた塗料をスポンジの硬い面に付け、トントンと叩くように塗ります。

スポンジを指先で軽く握ったりして塗っていたので、塗料に空気が含まれて泡立っていますね。
ここですかさず霧吹きで水をかけると、白の輪郭をぼかすことができます。
たっぷりかけたほうがよく滲みます。

その後すぐに余分な水や塗料をウエスで拭き取り。

これをバランスを見ながら全体的に行います。

乾くとこのようになりました。
この段階でも、場合によっては完成としてもいいでしょうね。
ムラ付けは気が済めば終わりにすればいいし、済まなければ何度でも繰り返し重ねればいいのです。
ではもう少し手を加えてみましょう。

白と同じように薄めた黒の塗料を、今回は叩くのではなくランダム方向に移動するように塗ってみました。霧吹きとウエスも同様に使用しました。
少しわざとらしくなってしまったような……?

さらに上から、最初よりもっと薄めた白で全体をまんべんなく塗るようにしてみました。
ただグレーの写真をひたすら見せられてもよくわかりませんよね?
僕もこれが良いのか悪いのかわからなくなってきましたが、とりあえず完成とします!
実際に写真を撮ってみました
以前つくったサイドテーブルを撮ってみると……

ちょっとしたスタジオで撮ったみたい!?
上の写真では、テーブルにピントを合わせて絞りを開放しているためスタイリングボードがボケています。それと、少し青っぽく写っていますが実際はもっと灰色。
大き目の合板でつくったので、このサイズの被写体にも使うことができるのです。
ちなみにサイドテーブルの記事はこちら↓
もちろん大は小を兼ねるので、小物の撮影にも使用できます。


流木や木の実などを暗めに撮ってみました。
いかがでしょうか。
市販のものには敵わないのかもしれませんが、DIYでもお手軽に写真のレベルを上げることができるので本当にオススメです!
いくつか違う色や雰囲気のものを作っておくといいかもしれませんね。
この記事が、あなたのDIYの参考になれば幸いです。